去年から作ってもらっていた、フリーダムのベースが出来上がったので取りに行く。
もう6年くらいフリーダムの赤いジャズベースをメインとして使っていますが、もう1本ジャズベースを作りませんかという話をもらって、どうせなら自分好みにカスタマイズしたジャズベースを作ってもらおうと、去年から計画が始まりました。
ギターやベースというものは、形が一緒でも実はパーツによって色々な選択肢があり、それによって個性が決まってくるんですね。
木材は何にするかとか、細かな部品も色々あって、塗装の種類までもが選べてしまう。それぞれ音の特徴があるので、組み合わせ次第で何通りもの仕上がりが考えられるワケです。
わたしは今までは、もう出来上がってお店に並んでいるものを試奏し気に入ったものを買うという方法で楽器を手に入れてきた為、自分でカスタマイズしてオーダーするというのは初めてでした。だからもし失敗したらどうしようと、オーダーしておきながら心の中ではめっちゃ不安だったんです。自分の思う音のイメージをフリーダムの人たちに伝えイメージの擦り合わせをしましたが、音って人によって表現の仕方も捉え方も違います。
例えば音の話をする時、よく「抜けの良い音」という表現を耳にしたりしますが、たぶん人によって感じ方や聴こえ方が違くて、誰かにとっての「抜けの良い音」はわたしにとっての「抜けの良い音」と同じとは限らないと思うんですね。そう思うと、まず他人とイメージを共有するだけでも非常に難しいのです。でも作ると決めた以上は惜しげなく自分の思いを伝え、フリーダムの人たちも一生懸命聞いてくれました。
そして今月18日にベースが出来上がり、ドキドキしながらフリーダムへ。
オーダーした時に「色は何色にしますか」と聞かれ、緑とかも良いなーと悩んだのですが「やっぱ関根さんといえば赤って感じですよね」と工房の人にも言われ、「では長年雨風にさらされて日に焼けた神社の鳥居みたいな古っぽい赤色が良いです」と言ったんですが、本当に何とも古っぽい赤に仕上がったベースが出てきました。
で、不安だった音はというと、マジで、奇跡みたいに上手くいった。
正直、これからも今までメインで使っていたあのベースをメインとして使っていく気でした。今回作った新しいベースは場面によって使い分けようくらいに思っていたんです。
ところが、自分の言っていたイメージ通りの音過ぎて、え、こんなことあんの?と弾きながら本気で驚いてます。恐らくこの先かなり活躍してくれると思われます。わたしの言葉をしっかり受け止め、そしてきっちり理解して、更にちゃんと具現化して下さったフリーダムの人たちは本気で凄かったし、感謝しました。
これ、商品化しても良いんじゃないか!?と思っちゃうくらい、とても良い仕上がり。日比谷でデビューさせようと思います。
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