2012年04月05日

日記


3月31日

渋谷O-EASTにて、南波志帆さんのイベントに出演。

南波さんとは初共演であるし、また、渋谷でライブをするのも久しぶりだったので、前々から楽しみにしていた。

きゃりーぱみゅぱみゅさんのステージは初めて観させていただいたのだけど、曲とダンスの絡まり合いが大変面白く。
食べ物でいえば、スパゲッティーのような。
ミートソース・スパゲッティーのような。
とろとろのソースと、柔らかめのパスタをフォークでぐるぐる巻き取っていくような、グルーヴがそこに発生していた。
これはすごく不思議な手触りであり、勉強になった。

僕らのステージは、この日のために改良したセットリストだった。
ライヴプロデューサーの本間さんと話し合い、普段バンドもののライブはあまり観ないようなお客さんにも楽しんでいただける内容にしようと心掛けた。

例えば、「セットリストを変える」とだけ言うと、単純に「曲目を変えるだけ」と思われがちだが、実はそうではなく。
曲を入れ替えることで、流れの前後関係が変化してしまう。
と、なると、その変化した前後関係に応じての調整が必要になってくる。
具体的には、曲のつなぎ方や、間や、テンポ感などである。
その曲の「そのセットリスト内での在り方」を明確にするために、曲のタイム感やノリを微調整し、メリハリをつけていく。
うちは同期無しの生演奏なので、テンポ感の速い遅いの調整までもが可能であるが、これが結構難しい。(特にドラム。)
ライヴリハーサルは、主にこの曲の変化を身体に覚えさせるための練習といっても良いかもしれない。

この日のライヴはそんな調整も上手く行き、程良い緊張感のなか、すごく楽しく演奏出来た。
観に来てくださったみなさん、どうもありがとう。

南波さんのバンド編成のステージを観るのは、実は初めてだったが、とても素晴らしかった。

以前彼女が語っていた、自分のイメージする歌手像。
人に書いてもらった詞曲を、自分なりに解釈し、歌にし、届ける。
それはシンガーソングライターのそれではなく、まさに「歌い手」というべきもので。
それに、しっかりと意地とプライドを持って向き合っているから、南波さんは実にかっこいい。
MCでも話したが、若いのに本当に出来た人だ。

この日は南波さんの高校卒業記念イベントであったのだが、
そんな時に彼女が歌う「こどなの階段」は、自分が想像していたものとはまた違う鳴り方をしていた。
僕はといえば、すっかり、親御さんが娘の門出を祝うような気持ちで聴いていた。
一歩一歩、「大人の階段」を昇り始めた彼女の姿は、清々しく、凛々しく、煌めいていた。


イベント終了後、下北沢GARAGEへ。
GARAGEではこの日、18周年アニバサリー前夜祭。
GARAGEファミリーのみんなが大勢駆けつけていた。
「新呼吸」のCMでおなじみの嵐田さんもいたし、呂布にも久しぶりに会った。
イベントでは何種類かの手作りカレーが振る舞われていて。
僕もウィンナーを大量に焼いた。

フロアの壁には蛍光色の紙に書かれた「絶好調」の文字。
下北沢GARAGE店長、かつ、僕の親友である出口さん曰く、「(フロアが)アメ横みたい。」とのこと。
なんかわかる。
汗とカレーのスメルでくっさかった。

気付いたらGARAGE事務所で寝落ち。
家がご近所の、ドラマー石川ドラゴンさんご夫婦と一緒にタクシーで帰宅。


4月1日

下北沢GARAGE18周年の日に、先輩・スネオヘアーさんのイベント。
そこに飛び入りでお邪魔させていただいた。
ちょうど1年前にもGARAGEでスネオさんと演奏させていただいた、名曲「赤いコート」をふたたび。
トークも楽しかった。

スネオさんとの付き合いは実はこっそりと長く。
今まで仕事で一緒になったことは殆どないのだけど、
スネオさんとGARAGE店長の出口さんが同郷(新潟県長岡市)であり、また、旧知の仲で、
何年か前の正月に、出口さんのご実家に何泊かさせていただいた時に、
たまたま帰郷中であったスネオさんと夜の長岡で痛飲したことがきっかけで仲良くなった。

本番終了後、スネオさんご夫婦と出口さんと焼き鳥屋へ。
そこで、スネオさんとも超ご近所さんであったことが発覚。
僕が通っている美味しいたい焼き屋さんの常連さんであることも発覚。
なんだか嬉しかった。


4月2日

映画「12人の優しい日本人 HDリマスター版」DVDを観る。
なぜHDリマスターまでしてBlu-rayで出してくれなかったのかは謎だが、もの凄く好きな映画なので、前のDVDは持っているものの、買い直すつもりで購入。

僕が三谷幸喜さんの作品が好きなのは、ざっくりと言って、知的でユモーラスだからだと思っている。
そして、すべてに伏線があり、その伏線を見事に回収していく。
論理的であり、数学的であり。
とても立体的な思考の元、考えられているのだと思う。

以前、三谷幸喜さんの密着ドキュメントを観たことがあるのだが、そこで脚本の執筆風景が紹介されていた。
三谷さんはホワイトボードにプロットをフローチャート形式で書き、ディテールを詰めていく方法をとっていた。
それを参考に、アルバム「新呼吸」の制作は、タイムラインを書き、時間ごとのストーリーを掘り下げていくという進め方をした。
やってみてわかったのは、「ものすごく時間がかかる」ということ。
自分で大きなルールを作ってしまっている以上、そこから外れるものは入れたくない。
一発でイメージに合う物が出てくれば良いが、そうでなかった時に大いに悩まされることになった。
三谷幸喜さんの「筆が遅い」というのが、おこがましいけど、少し理解出来た気がした。
立体的なパズルは難易度が高い。
ただ、難易度が高いが故に、達成感も大きい。

映画の話に戻るが、「12人の〜」で好きなシーンは、冒頭の飲み物を注文するシーン。
これがまた大変秀逸で。
この作品では、12人の陪審員に名前があてられていない。
が、冒頭で「飲み物の注文」と「座席決め」を通し、各々のキャラクターや立ち位置を説明しきってしまうのだ。

ある人は全員の注文を聴き、
ある人はそれをメモし、
ある人は注文と共にくだらない冗談を良い、
ある人は人の注文を聞いてコロコロと自分の注文を替え、
ある人はせっかちに同じ注文を何度もくりかえし、
ある人は興味なさげに煙草を吸い、
ある人はドカッと椅子に座り無難なホットコーヒーを注文し、その後ろには「私も」と手を挙げる人がいて、
ある人はビールが飲みたいと言い出し、
ある人は喫茶店の出前なのにヤクルトを注文する。(しかも、ちゃんとある。)

これだけで、この人たちがどういう個性や思考の持ち主たちなのか、大体理解出来てしまう。
「説明の説明」をせず、オープニングBGMをバックに、人物紹介を成し遂げられてしまっている訳である。
さらに、ある人の「(話し合いが)始まりますよ!」の台詞と共に、BGMが止まり、本編が始まる。
実に、スマート。
僕自身、「説明の説明」が嫌いなタチなので、実に惚れ惚れする名オープニングである。


夕方、雑誌B.L.T.の連載取材。
今回は巷で噂のSEXY BOY…ならぬ、巷で噂のタワーレコード代表取締役社長・嶺脇育夫さんにご登場いただいた。
ヲタヲタしく、大変濃い内容の対談となった。
次号B.L.T.に掲載予定。
嶺脇さん、今度一緒にコンサート観に行きましょう。ファミリー席で。

余談だが、対談開始前、偶然我がEMI MUSIC JAPANの社長が通りがかり、社長同士の会話があって。
どっちかっていうと、この風景が普通だよなぁと思った。

また、ライターさんから興味深い話を聞いた。
以前、音楽を聴いていたら、仕事で関わっている若い子たちに「これって音だけ?」と聞かれたのだそうだ。
つまり、「動画じゃないの?」「映像はついてないの?」と。
これは極端な例かもしれないが、若い子たちの音楽の聴き方が変わってきているんだろうと実感。
考えさせられた。


ハイパーホビー5月号を読んだ。
いよいよ、「仮面ライダーフォーゼ コズミックステイツ」のヴィジュアルが解禁されていた。
ボディのあたりが大変なことになっていた。
最近のライダーは最終的に「全部乗せ」状態になるよね。
好きだけど。
ディケイドとかすごいことになってたもんなぁ。
昔は、ストロンガーのチャージアップですら、すっげぇ!と思ったものだけど。
RXのロボライダーとバイオライダーなんかもう、超すっげぇ!と思ったし。

そんな風に驚きは、普通になってしまう。
驚かせ続けようと思ったら、1つの次は2つ、2つの次は3つと上乗せ続けるか、
それを超える驚きを提供し続けなければ、人は「衰えた」と感じてしまう。
常に「超え続けるコンテンツ」を僕らは用意し続けなければならない。
永遠の課題だなぁとしみじみ思う。

そして、僕はこんなペースで日記を書き続けていけるのかと、書いておいて心配になっている。


4月3日

昼過ぎから暴風雨。
家が振動するくらい風が強かった。

夕方から制作のためスタジオに移動。
叩き付けるような雨の中、駅まで辿り着くと、今度はホームにものすごい吹き込み。
電車も全然来ないため、雨が届かないホームの端に大勢の人が固まっている状態だった。
が、十数分待って来た電車は意外にも空いていた。
早いうちに帰宅命令が出ていた会社が多かったのだろうか。

スタジオ最寄りの駅に到着すると、突風はあるものの雨はすっかり止んでいた。
先に食事をしようとブラついてみるも、暴風雨のせいか、営業しているお店が少ない。
5軒ほどまわって、ちょいと有名な定食屋さんで食事をした。
良い塩梅の肉じゃがだった。

この日は主に制作の進め方を決めたり、楽曲の方向について話し合い、少し音を出して終了。
翌日から本格的に作っていくことになった。

自分が大切にしてきた美学が、時に足枷になることもある。
今回のスローガンは「トライ&エラー」。
様々な挑戦をしてみたい。

帰宅する頃にはすっかり空も穏やかになっていたが、
道には壊れた傘の残骸が散らばっていた。


4月4日

「刻刻」という漫画を4巻まで読んだ。
かなり独特な世界観で、何が起こっているのかさっぱりわからないのだけど、どんどん読める。
に、しても何が起きているのか全然わからない。
「ベルセルク」も3巻までは、何をしているのかさっぱりわからなかったけど、その先の加速が半端じゃない。
と、いうこともあるから、この先が楽しみ。

夕方から制作。
集合してから、まず食事をした。
初めて行くお洒落で現代的な蕎麦屋さんだったのだけど、すごく美味しかった。

下町で育った僕はどうしても、お洒落な蕎麦屋さんよりも、年季の入った町の蕎麦屋さんに入りたくなってしまう。
江戸前なざる蕎麦を、つゆにどっぷりつけて食らうのだ。
揚げたての天ぷらが横にあれば、なお良し。
わさびが、ねりわさびではなく、すりわさびなら、なおなお良し。

そんなお店ではなかったけど、手打ちの蕎麦やつゆにこだわりが感じられ、大変美味しく、箸が進む。
一人でざる3.5枚分を食した。
まだいけた気がする。

この日の作業としては、大まかにリズムを決め、適度にギターを入れ、メロディーを何パターンか試していき。
言葉もはめて、さらに試し。
反射神経で曲の大枠を組み立てていった。

帰宅後、デモを聴きながら曲の続きをイメージ。
「自殺島」最新刊を読んだ。
posted by bbb at 02:27| 小出祐介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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